携帯小説的恋
仕方なく、あたしは、月人君とのコンビニでの出会い、そしてその後の正門事件のくだりを星野さんに話して聞かせた。


勿論、あたしが『J』で月人君が『つきひと』だってことは伏せて。


「ね、ねぇ、佐々木さん、

それって凄く携帯小説っぽい、運命の出会いじゃありませんか?

わぁ~やっぱりあるんですね、そういうロマンチックな出会いって。

ね、佐々木さん、良かったら、この話、あたしの携帯小説の筋書きに使わせて貰ってもいいですか?」

「え?」

「あ、これは、学校では内緒にしてるんだけど……

実はあたし、携帯小説書いてます」

「え、星野さんも?」

「も、って……

もしかして、佐々木さんもぉ~

やだぁ、これも正しく」


「「運命の出会い!」」


二人は声を合わせて叫んでいた。
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