携帯小説的恋
星野さんに背中をポンと押されて、

勢いで月人君にぶつかった。

「行こう」

月人君に手を取られて歩き出す。

目指す、その先には、

青空をバックに悠然と回る<大観覧車>。


でも……


やっぱり、最後の最後であたしは決心が付きかねる。

「や、やっぱ、止めとこうかな……

あたし、高いとこ苦手だし……」

後ずさりしようとするあたしに、

「なに言ってんだよ、ジェットコースターで絶叫してた奴が!

ほら、行くぞ!

大丈夫だ、俺が付いてる!」

あんたが付いてるから、怖いんでしょうが……

グズグズしてる間に、有無を言わさず、ゴンドラに押し込まれた。
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