携帯小説的恋
「俺は順が好き。順は?」

「え?」

「順は俺のこと……嫌い?」

ブンブンと首を横に振った。

「じゃ、好きか?」

遠慮がちに小さく頷いた。

「じゃ、俺の彼女になれ!

いや、彼女になって下さい!」

月人君、声でかい……

噛み付かれそうだよ……

「あの……ラブホでエッチは無理だよ」

小さな声で呟いた。

「は?」

「だって、『つきひと』君のプロフィールにそう書いてあった」

「え、あ?

それって、順に会う前のプロフィールだろ?

この本山月人、

こう言っちゃなんだが、日々進化してるんで、過去の自分は振り返らない主義だ」

「じゃ、今は違うんだね?」

「ま、未来のことはわからねぇが……」

「もう、はっきりさせてよ!」

振り上げた拳ごと掴まれて、口を塞がれた。
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