携帯小説的恋
と、途端に叫ぶ真っ赤。

「なんで俺が大好きで、お前が好き、なんだ?

あ”?」

「好きも、大好きも、大した違いないでしょっ!

そんなとこ、こだわるなんて小さい奴!」

「何だと、俺はデカイ。

お前より『ずっと』な!」

「馬鹿じゃない?

身体のことじゃないに決まってるでしょ。

根性が小さいって言ってんの!」

「なにぃ~」

「あの……着きましたよ。降車をお願いします」

気付くと、係りの人が困った顔で扉を開けて待っていた。

「「す、すいません!」」

あたしは月人君に抱きかかえられる格好で、ゴンドラを後にした。
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