携帯小説的恋
∽電磁波の渦∽
ゴンドラに乗り込むなり、
ヤンキー山田はあたしの前に膝間付き、あたしの手を取ってこう言った。
「沙耶、僕の愛を受け止めて貰えますか?」
「な、なに? 山田君?
な、なんか、いつもと違わない?」
「ヤンキー山田は僕の仮の姿です。
周りが僕にそう期待しているのか、はたまた、僕が周りの期待に応えようとしているのか。
みなんなの前にいる僕は、僕であって僕ではない。
沙耶、君は僕のことを明人(アキヒト)と読んでくれなきゃいけません。
僕は君の前では明人に戻ります。
そして、僕、明人は、沙耶を心から愛しています」
明人は沙耶の手を手繰るように抱き寄せると、その唇にそっと自分の唇を重ねた。
「アキヒト?」
ヤンキー山田の名前が明人なんだって、今更知ったあたしは、何が何だかさっぱりわからない。
わかっているのは……
あたしのファーストキッスが奪われたってことだけ!
ヤンキー山田はあたしの前に膝間付き、あたしの手を取ってこう言った。
「沙耶、僕の愛を受け止めて貰えますか?」
「な、なに? 山田君?
な、なんか、いつもと違わない?」
「ヤンキー山田は僕の仮の姿です。
周りが僕にそう期待しているのか、はたまた、僕が周りの期待に応えようとしているのか。
みなんなの前にいる僕は、僕であって僕ではない。
沙耶、君は僕のことを明人(アキヒト)と読んでくれなきゃいけません。
僕は君の前では明人に戻ります。
そして、僕、明人は、沙耶を心から愛しています」
明人は沙耶の手を手繰るように抱き寄せると、その唇にそっと自分の唇を重ねた。
「アキヒト?」
ヤンキー山田の名前が明人なんだって、今更知ったあたしは、何が何だかさっぱりわからない。
わかっているのは……
あたしのファーストキッスが奪われたってことだけ!