携帯小説的恋
休み明けの学校では、あたしは桃花ちゃんとの報告会で盛り上がってた。

桃花ちゃんは、逐一メモまで取りながら、あたしの話に頷いて……

仕舞いには、

「ねぇ、順、この展開、あたしの携帯小説の筋書きに貰ってもいいかなぁ~」

なんて言い出す始末。

「あ、ごめん、桃花ちゃん。

それってもう、星野さんに取られちゃったかも」

「え?」

「ほら、今話しに出てきてた、月人君のクラスメイトで双子の男の子のお姉さん」

「あ、彼女が、星野さんなんだ」

「そう、星野真輝さん」

「って、あの?」

やっぱり、桃花ちゃんには直ぐわかったみたい。

星野さんが、野いちごの作家さんだってこと。
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