携帯小説的恋
「なんかさ、ここのとこ、順の周りに電磁波の渦ができてるんじゃない?」

桃花ちゃんが難しい顔して語り出した。

「電磁波の渦?」

「だってさ、携帯電話は電磁波を使って電波を送受信するわけでしょ。

その中に生まれた携帯小説の世界が、電磁波の渦によって作られたひずみに引き寄せられた、って考えられない?」

桃花ちゃんの瞳がキラリと光った。

いやいや、桃花ちゃん、それって何の科学的根拠もないんじゃないかな?

ファンタジーの世界だよ。

って、そうだった、

桃花ちゃんはファンタジー大好き少女でしたね♪

「こんなに沢山の携帯小説仲間が、それもこんなに身近に現れるなんて、正しく……」

「「運命の出会い!」」

二人声を合わせて叫んでた。
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