携帯小説的恋
ドーナツを、殆ど二口で胃袋に収める野獣月人。

皿一杯に盛ったドーナツが、見る見る減っていく。

なんか見ているだけで胸が一杯になっちゃうよ。

「月人君て、甘いの好きだよね」

「俺は頭使うからな、糖分補給が欠かせねぇんだ。グリコーゲンよグリコーゲン」

お腹が一杯になった頃、あたしは今日の重大案件を持ち出した。

「ね、今度の日曜って何があるの?」

「日曜は生憎、少年ラグビーチームのコーチのバイトだ。

悪いな、お前に付き合ってやれねぇわ。

何だ、何処か行きてぇのか?」

「それって、グランドでやるの?」

「当たり前だろ」

「星野さんから、来週の日曜、グランドでって言われてる」

「あ"? 確かに、星野の弟二人が今度その少年チームに入ることになってるが……」

あ、暗号が解けた。

「あ、あたしも行っていい? 練習見てみたい!」

思わす身を乗り出して叫んでた。
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