携帯小説的恋
「わ、わかりましたよ。

……言えばいいんでしょ。

……佐々木順です」

あたしは、仕方なく本名を口にする。

「順でジェイ、成る程」

妙に嬉しそうに頷くその顔に、何か悪い予感がしてならない。

「あたしの名前なんて知ったって、別にどってことないでしょ。

じゃ、これで」

逃げるが勝ちと、席を立とうと腰を上げた。
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