携帯小説的恋
JRからローカル線に乗り換えて、最寄り駅で降りる。

地図を片手に、桃花ちゃんとあたしは、周りをキョロキョロ見回しながら歩いていた。

と、後ろから弾丸のような勢いで、小さな塊があたしと桃花ちゃんのお尻にタッチして走り去った。

あたしと桃花ちゃんは、瞬間顔を見合わせると後ろを振り返った。

「あ、やっぱり佐々木さん」

そこには、荷物を一杯かかえた星野さんが立っていた。

「ごめんなさい。

あたしが、きっとこないだのお姉さんよ、なんて言ったもんだから……」

やっぱり、あの弾丸は琢磨君と走磨君か。

あたしと桃花ちゃんは、星野さんに走り寄り、彼女の抱えた荷物に手を掛けた。

「少し持ちますよ」

「ありがとう。きっと来てくれると思ってた」

そう言うと、星野さんは、控えめに微笑んだ。
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