携帯小説的恋
「今日は結構暑くなりそうだから、給水、多目に頼むわ」

「了解」

「お前、その服、どうにかなんねぇの?」

明らかに、彼の視線はマノさんの胸の谷間に注がれている、らしい……

「だって、暑いんだもん。いいじゃない、別に減るもんじゃなし」

「知らねぇぞ、また、餓鬼に揉まれても」

「いいのよ、それくらいの刺激がないと、こんな仕事やってらんない」

「マノン……」

その男性は、あたし達の存在に気付いて、

その先の言葉を飲み込んだ。

「聡、月人君がちょっと遅れてるの。先にグランド行って、子供達の相手してやって」

「了解」

彼はそのまま、グランドへ下りていった。

「ごめんなさい。

彼は、このクラブのヘッドコーチ、中川聡。

で、一応、あたしの恋人。なかなか、構ってもらえないけどね」

マノさんは、ちょっぴり頬を赤らめて笑って見せた。

一応って、

こんな綺麗なマノさんを構ってあげない、中川コーチって、なんなんだろう?
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