携帯小説的恋
「適当な席に座って見てて。

あたしは先に、給水の準備だけしちゃわなくっちゃ」

マノさんは、下りてきた階段を駆け上がり、大きなジャグを抱えて歩きだした。

あたし達も、荷物を適当な席に投げ出すと、マノさんを追って走り出した。

「あの、マノさん、あたし達も手伝います!」

「あら、悪いわね。

時間もないことだし、お願いしちゃおっかな。

あそこにある、ペットボトルをグランドまで下ろして貰えるかしら。

重いから、手分けしてね」

マノさんが指差す先には、6本入りの箱に入った、ミネラルウオォーターが積まれていた。

「全部ですか?」

「ん~、取り敢えず、二箱」

マノさんは、そう言うと、ジャグを抱えてグランドの方へ下りていった。

あたしと桃花ちゃんは、二人でミネラルウオォーターの箱を持ち上げた。

1.5リットル入り六本で9.0キロ。

一人で階段を降りるのは、ちょっとキツイよね。
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