携帯小説的恋
「待てよ」

「まだ何か?」

「メアド交換しようぜ」

「は?」

「いいだろ? メアド」

「知らない方に、メアドを教える訳には……

それに、一読者だけを特別扱いする訳には参りません。

申し訳ありませんが、お断り致します」

今度こそ絶対に無理。

あたしの眉間の皺は最大限に深くなる。

「やっぱ駄目か……」

聞こえてきたのは、思いがけなく情けない声だった。
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