携帯小説的恋
「あんなヤンキーって、もしかして俺のこと?」

その低く甘い声の主は、紛れもないアイツだ。

「そうよ、なんか文句ある?」

ズンズンとあたしに向かって距離を縮めてくるアイツに向かって、あたしは精一杯の勇気を振り絞って眼つけた。

「勿論ある。ちょっと顔かせ」

力強い腕がすかさずあたしの肩をつかんで、有無を言わさず歩かされる。

揺れる金髪、微かに香るタバコの匂い。

俺様の癖に、不良の癖に、

なんでこんなにあたしの心は浮かれてるの?
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