携帯小説的恋
「マノン、俺達も行くか? 遊園地。

差し詰め、本場アメリカのディズニーあたり?」

「は? 何言ってんの聡?」

マノさんが、後ろに立ってた中川先輩の方へ振り向いた。

「むろん、ハネムーンってことで」

みんなが一斉に、二人を見た。

当のマノさん自身は、ポカンとして放心状態だ。

「マノン、返事は? イエスオアノウ?」

「イ、イエス……」

「じゃ、その前提条件ってことで、プロポーズの返事もイエスでいいな?」

「イ、イエス……」

マノさん、それって、ちゃんとわかって返事してます?

「先輩、それって反則じゃないっすか?」

やっと、口を挟んだのは玲さんだった。

「マノンにはこれ位、唐突で強引な方がいいんだ。

考えさせるとろくな事がない」

中川先輩は、全く悪びれることなく平然と微笑んでいた。

「ったく、先輩の俺様も相変わらずですね。

こっちは、たんび、八つ当たりで迷惑してんすよ」

「悪いな、玲」

「マノン、マノン?」

みんなが見守る中、マノさんがヘタヘタと座り込んだ。
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