携帯小説的恋
このツンツン立った、茶髪の頭だって、中学ん時の先輩がアルバイトしてる美容院へ髪切りに行ったら、

「つきひと君は髪が多くて硬いから、ちょっと色抜いてすいて軽くした方が扱い易いよ」

ってお姉さんに言われたから、素直に従っただけだし。

この無駄にデカイ身体は勿論、俺のせいじゃねぇし。

だから、あいつが、あの佐々木順が、俺のことを怯えた目つきで見上げて逃げるように去っていったのが、

ショックって言えばショックだったつぅか……

この本山月人、裏も表もない、真っ直ぐな人生歩んできてんでぇ~

ジェイの感想ノートにいる俺も、ここにいるこの俺も、まぎれもない本山月人そのまんまだぜ。

その証拠に、ホラ、俺の名前、完璧な左右対称だろ?

ま、そんなとこに気付く奴も珍しいけどな。
< 33 / 205 >

この作品をシェア

pagetop