携帯小説的恋
なになに……

――美女と野獣??

俺の顔には、牙と鬣が書き加えられ、順の頭の上にはティアラが載った。

「できた!

はい、これ、記念のプリクラ。

あ、あたし、もう行かなくちゃ。

今日は楽しかった、ありがとう」

走り去る順の背中を見つめ、俺は、呆然と立ちすくむ。

美女と野獣のプリクラを手に。

なんだ……

覗きこんだプリクラの

順のウインクしてポーズを決めた姫の姿は、


……想像を絶する可愛さだった。
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