携帯小説的恋
あ、何の話だっけ?

そうそう、水曜日、校門前に現れた不審者の話だった。

だから、桃花ちゃんも、あたしの感想ノートに度々出現する『つきひと』君については、ある意味、名見知りだった訳で。

まさかその『つきひと』君が、実在の人物として目の前に現れたこと。

そして、不審者その人であったこと。

何故か、あたしと友達宣言をしたこと。

誕生日が偶然にも同じだったこと。

次の日、興奮気味に捲くし立てた、あたしの話に一つ一つ頷きながら、桃花ちゃんも相当びっくりした様子だった。
< 59 / 205 >

この作品をシェア

pagetop