携帯小説的恋
「月人君?」

あたしは校門の前、本を読みふける眼鏡の野獣に声を掛けた。

「あ、順!

しまった、カモフラージュのつもりがすっかりはまっちまったぜ」

本から顔を上げた眼鏡の野獣は、

眼鏡の淵に手を掛けると、

いつもとは違う、キリリと引き締まった顔つきであたしに笑いかけた。

ドキッ!

なんかカッコイイじゃん。

そ、それは反則でしょ……
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