携帯小説的恋
「今日はメール来ないから、遊ばないのかと思ってた」

「いやさ、今日は映画行こうかって思ってさ。

観たいやつ、渋谷でやってんだよね。

いつものコンビニ待ち合わせじゃ、時間間に合わねぇからよ」

「え、映画?」

「大きな声じゃ言えねぇが、『僕の○恋を君に捧ぐ』。

俺、コミックからのファンだからよぉ~

繭ちゃんの一途さが、たまんねぇよなぁ~

だから、付き合え。

お前もまだ観てねぇだろ?

奢るからさ」

――あ、そこはちゃんと繭ちゃんなんだ。

「そ、そんなに観たいんだ……」
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