携帯小説的恋
「あ、ワリィ……つい……ほら、これならいいだろ」

代わりに差し出されたのは、月人君の右手。

えっ?

状況を把握する間も拒否する隙もありゃしない。

今度は強引に手を掴まれた。

もしかして、あたし達、手を繋いで歩いてる?

周りの見慣れた景色が飛んでいく。

なに?

この状況は?

嗚呼、もう、このドキドキで、

あたしの心臓が壊れて止まるのも時間の問題だ。
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