携帯小説的恋
駅に着き、電車に乗るなり、

繋いだ手は離された。

月人君は、掛けていた眼鏡を外すと鼻の頭を指で擦った。

「眼鏡って疲れるな。なんか、鼻んとこがムズムズする」

「な、慣れだよ」

あたしは自分の眼鏡を右手でちょっと上に上げた。

「俺、目だけは良いからなぁ~」

「ねぇ、何で眼鏡なんか掛けてたの?」

「だってよぉ、やっぱ、女子高の前で待つってば、優等生タイプが無難でしょ。

彼が彼女を待ってます、みたいな?

こないだ失敗したからな。これでも学習したんだぜ」

へ?

それで眼鏡?
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