携帯小説的恋
「あ、ワリィ……つい……ほら、これならいいだろ」

俺は掴んでいた手を離し、

代わりに手を差し出した。

っうか、俺は順の手を有無を言わさず掴んで歩き出した。

ま、順のことだ、

嫌だったら怒るか叫ぶかするだろう。

反応ないっつうことは、

問題ねぇってことだろ。

驚くほどに華奢な順の手の感触に、実は少々戸惑っていた。

女って、こんな柔らかいんだ……

野獣月人、

美女の手をとった瞬間のこと。
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