弱いあたし


「また黙ってんの・・・」

「あたしのお父さんが、事故で死んじゃったの。それが理由で、友達からいじめられ始めた。2年前からかな。誰が悪いなんて思っていないから・・・っ」

「・・・」

凪斗さんは優しくあたしの涙を拭き去った。

「無理してんだな。俺、お前の家族は分からない。けど、もう自分責めるのはやめな。無理して笑うのはやめな。アンタがツラいだけだ。我慢するな。泣きたいなら泣け。伝えたいことがあるなら伝えろ。そうすればそいつらにも必ず伝わる。負けるな、奈緒」

「凪斗さん・・っ」

あたしは初めて大声を出して泣いた。

本当は誰かに伝えたくて。

もう1人は嫌で。

お母さんにも直樹にも心配なんかかけられない。

ずっと1人で抱え込んできた。

誰でもいいからあたしの気持ちを知ってほしかった。

学校なんか楽しくない。

今すぐに辞めたかった。

あたし、何もしてないのに。

ずっとあたしを責め続けた。

「奈緒、俺はお前の見方だ。何があっても俺はお前の傍に居る。何かがあったらすぐ俺の名前呼べ。何処に居てもすぐに見つけてやるよ。だからもう1人で悩むな」

凪斗さん・・・。

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