弱いあたし


「さ、お前はそろそろ帰りな?もう夕方だよ」

気付くともう夕日が出ている。

「おいで。教えてあげるよ」

あたしの手を引いてあたしが迷子になった道まで案内してくれた。

「凪斗さん、また逢える・・?」

「ん」

あたしの頭を優しく撫でてくれる凪斗さん。

「呼び捨てで構わないよ。奈緒が助けを求めてる時、俺を必要としてる時、俺は奈緒の目の前に現れるよ」

「うん・・・」

「大丈夫。もう少しの辛抱だよ」

にこっと笑って凪斗は手を振って帰って行った。

あたしは家路まで走った。

「高木さん」

足を止める。

目の前には杉下さんが仁王立ちして周りにはとりまきが居た。

「今日学校来ないと思ったら何してたの?」

「それは・・っ」

言うといじめられる。

でも言わないといじめられる。

どのみちいじめられる。

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