弱いあたし


学校へ着くとみんなが冷たい目で見る。

「あら?高木さんじゃない。学校へ来れたの?」

杉下さんがあたしに話しかける。

それをあたしは素通りする。

「ちょっと。采華さんが話しかけてくださってるのよ。何とか言いなさいよ」

周りの取り巻きがあたしの腕を掴む。

「離して」

あたしはその手を振り払う。

「まだ懲りてないのね?あなたって」

無視して教室に入る。

あたしの机は一番後ろの窓際。

ポツンと寂しそうに置いてある机だ。

あたしはそこにランドセルを置いて座る。

杉下采華はこの学校の校長の孫。

だからいつもでしゃばってみんなをまとめるフリしてる。

だけど本当は権力を振りかざしてみんなを自分の下に置いてるだけの寂しい人。

そしてあたしの大切な友達を奪った人。

「友美、やめときなって・・」

「でも・・・」

その声のする方を見ると2人の女子があたしを見てた。

あたしの視線に気付いた2人はそそくさと何処かへ消えた。

その1人、高井友美。

あたしの唯一の親友だった。

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