弱いあたし


「聖美、ごめん。今日は俺と奈緒は一緒に寝るからお前はいつものように3人で寝てくれるか?」

「はーい♪」

「奈緒、おいで。一緒に寝よう」

凪斗はあたしを軽々横抱きして隣の部屋に連れていく。

「何思い出した?」

「分からない・・」

「そう」

あたしをベッドに座らせて隣に座る凪斗。

「大丈夫。俺らはお前を1人にしない。絶対にさ」

そう言って立ち上がりドアを開けた。

「うわっ」

ドアを開けた瞬間、みんなが倒れこむ。

「奈緒が凪斗に襲われてないかと・・」

聖美さんが言う。

「ばかか。俺はんなことしねえっての」

「奈緒が心配でさぁ」

淳が言う。

「奈緒、これで分かったか?こいつらはお前をもう仲間と思ってる。だからお前も俺らを仲間と思っていいんだよ。1人にしない、俺らは。捨てられた俺らだからこそ、いじめられた俺らだからこそ、な」

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