弱いあたし


「いってらっしゃい!」

みんなが見送ってくれる。

「行ってきます・・・」

「奈緒、何かあったら呼べよ」

凪斗が耳元で呟いた。

いつもとは違う道で学校へ向かう。

淳は・・なんで施設に居るのかな・・?

聞きたいけど・・聞いちゃいけないよね・・・。

「あら?高木さんじゃない?」

「っ!」

杉下さんと取り巻きと出会ってしまった。

杉下さんが隣の淳を見る。

「仲良く登校?」

クスッと笑う取り巻き。

「奈緒、行くぞ」

淳があたしの手を引く。

「学校で何かあってもその人居なきゃ意味ないのよね」

大声で笑う杉下さん。

その声が耳障りに思えた。

「てめえ、うぜえよ」

「え?」

淳が杉下さんに迫る。

「奈緒に手、出したら・・シメるよ、アンタら」

「っ!?」


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