弱いあたし


「奈緒、学校は楽しい?」

「うん、楽しいよ」

お母さんの前では嘘でも笑い続ける。

心配はかけられない。

「そう、ならよかった。いつも怪我して帰ってくるから心配しててね」

「あたしがいつもドジってるだけだよー」

あたしは笑い飛ばす。

唯一の安らげる場。

唯一の居場所だった。

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