愛し君へ…


***


その日からは、毎日同じ事の繰り返し。

でも、私と会う度に響ちゃんは、いつも変わらない明るい笑顔で、


「大丈夫だよ」

「心配しないで」



って言ってた。


だから私は、安心しきっていたの。

今考えてみると、何で私はあの時気づいてやれなかったのかって――…
すごく自分が腹立たしくて、悲しくて…



でも、2月に入ってすぐのことだった。



ピンポーン…


夜中の3時すぎに、家のチャイムが鳴った。
…この時間に誰か来るなんておかしいと思った。





「――…っ…おばあちゃん…

…助け…て…」





ドアを開けて、私は愕然とした。

玄関には、全身傷だらけで衣服は乱れ、泣きながら響ちゃんが立っていたから。


< 85 / 106 >

この作品をシェア

pagetop