外見うさぎ中身もうさぎ

嵐の中、止まらずに走った。
今、見た目とか、周りの目とか関係ない。

恐怖から、逃げるように走った。
怖い。

走りながら、ズキズキと痛む古傷。

嵐のせいなのか、あれのせいなのか。
よくわからないけど…


苦しい。

いつになったら、私はこの記憶から解放されるの?

ねぇ。
誰か教えて…


大好きな人を、拒まない勇気を
もう過去を振り返らない勇気を
包帯を外す勇気を
前を向いて今を見つめる勇気を


そんなちっぽけな勇気を、私にください。


結局、いくら体に格闘技や力をつけても…

心が強くならないと意味がないんだ。


もしかしたら、そんなことはもうとっくの昔にわかってたのかもしれない。


わかろうとしていなかっただけなのかもしれない。




そんなことだから、壱輝を傷つけた。
私が弱いから。


だから、
大切な人を平気で傷つけてしまうんだ。


私は、強くなんかない。


私は…


弱い

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