外見うさぎ中身もうさぎ

「…壱輝も、ひなのも、どっちもどっちだね」

「…」

「壱輝は、手出すの早すぎ。好きな子としたいのは、わかるけどさぁ…」


真理子は、私を見て続けた。



「ひなのは、ぶっちゃけ過去のことを大袈裟にしすぎ。そりゃ、あんなことされたら辛すぎるけどさ。ちょっと、悲劇のヒロインになりすぎなんじゃない?この世界で、ひなのだけがこんなに辛いんじゃないんだよ。ひなのは、壱輝を傷つけた。って言ってるけどさ…好きな人が生きてるんだよ?それだけで、幸せだとひなのは思わないの?世界には、好きな人が死んじゃった人、いくらでもいるんだよ?その人達は、ひなのよりずっと辛いと思う。過去のことがあったからって、不良は不良。男は、しょせん。って1つにまとめるのも、考え方かえた方がいいよ?」


真理子に、はっきり言われて気づいた。



「私、確かに悲劇のヒロインぶってたかもしんない。世界で私が1番不幸って思ってたっかもしんない。でも…真理子は、あんなことされたことないよね。そんな真理子に私の気持ちなんかわかんないよ。世界で1番とは言わないけどさ…私だって不幸な目にあったんだよっ…」

「うん。わかんないよ。あんなこと、されたことないもん。でもさ、ひなのを見てたらどんだけ辛いのかくらいわかるよ。だいたい…話してくれなきゃわかんないよ!!壱輝だって、急に拒否られて泣かれて好きな女慰めようって思って、抱きしめようとしたら泣かれて、嫌って連呼だれて…ただ、それだけじゃ。私も壱輝もわかんないに決まってるじゃんよ!!!もう、1人でため込むのやめなよ…なんのために、私や壱輝がいるのよ…もっと、頼ってよ……」


そう言って、真理子は私を抱きしめて泣いた…



「…真理子、ごめんね……そうだよね、私の気持ち話してないんだから、わかる訳なかったよね。ごめんね…」



私は、馬鹿だ。

真理子にまでこんなにあたって。


真理子も、壱輝も、なんにも悪くないのに。


真理子に頼って泣いて、最後には逆ギレして。
真理子泣かして。


ホント、訳わかんないよね…



ごめんね…
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