外見うさぎ中身もうさぎ
「ひなの、昨日は夜中にごめんね」
いつも通りに玄関の前に居た真理子の目は、真っ赤で腫れている。
泣きはらした後…
「全然大丈夫♪起きてたし」
「今日さ…私、後ろでもいいかな?」
「いいよっ、じゃあ、乗ってくださーい♪」
真理子を乗せて、自転車は出発した。
真理子は、私に力強くしがみついていた。
スピードは、速くない。
しがみついてる真理子の手は、震えていた。
「……真理子、無理しないでいいんだよ」
真理子の方が私より大きいのに、今日の真理子はなんだか小さく見えた…
「ひなの…私ね、っ達樹のこと、好きっ…ひっく…」
泣きながら言う真理子は、とても苦しそうだった。
「…真理子、前に壱輝達いるけどスルーして抜かすよ?」
真理子は、小さく頷いた。
…真理子がここまで追い詰められるって、どんだけ達樹のこと好きなの。
「お、ひなの真理子、今日は挑発してこねーのか?」
空の質問を無視して壱輝達の横を通り抜けた。