外見うさぎ中身もうさぎ
「遅刻する!!!!」

「お前、今から走ってくの?間に合わねぇよ?」

「……やっぱり」

「バイクなら余裕で間に合う♪」

「は?」

「乗ってく?」


無理…


絶対に嫌…


「結構です…」

「んじゃ、お前遅刻だぞ?」


………うん。

でも…………


無理なのっ……


「遅刻でもいいので…」

「遠慮すんなって」


そう言って、壱輝は私を軽々持ち上げてバイクの後ろに乗せた。





………もう声も出なかった。

暴れも出来なかった。


ずっと、ずっと、体が震えるだけ。



怖くて…

怖くて…
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