外見うさぎ中身もうさぎ
バイクをひいて10分くらい歩いて、いたって普通の公園に着いた。


「…公園?」

「ここなら、ゆっくりプリン食えるかな?って思ってさ」

………壱輝って…

優しいんじゃん……



私と壱輝は、公園のベンチに座った。

私は、壱輝からもらったコンビニの袋の中からミルクティーとプリンを取り出す。



「子供みてぇだな」

そう言って笑う壱輝に、視線を向けると火のついていないタバコを指に挟んでいた。


“タバコ”に体が反応する。


また、あの時の記憶が蘇ってきて体が震え出す。



「………ごめ…タバコ……しまって…もらってもいい?」


ゆっくりと呼吸をして、やっと声を出してお願いする。



「あ、悪ぃ」


そう言って、タバコをしまってくれた壱輝にホッとする。
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