君に言いたい2つの言の葉
沙弥side


彼に会ったのはあの日がきっかけだった。


「ねね、椿ってばウチらより先に彼氏作ったらしいよー!いいなぁ」

私、沓沢 沙弥(ミズサワ サヤ)は、今中学2年。
1年生の頃同じクラスだった子が沢山居てくれたおかげで
まったくこのクラスは飽きない。

友達が沢山いるし、心友だっている。
今年春、きっと何かいいことが起こるんじゃないかな、と期待に胸を弾ませている所。

友達の横山 千佐登(ヨコヤマ チサト)は、クラスが唯一離れてしまった金城 椿(キンジョウ ツバキ)に彼氏が出来たーという話で持ちきりだった。


千佐登も彼氏が欲しい欲しい言っているけど
なんでそんなに欲しいのかわからない。


「・・・・ね、千佐登?どうして彼氏欲しがるの・・?その、まだ私達中2だしさ・・・早くない?」
千佐登は私の質問に目を丸くし、真剣な顔で私を見た。

「そりゃ、遊び半分で彼氏が欲しいーって言ってるわけじゃない。本当に心の底から愛せる人が欲しいの。ヒマだからじゃなくてね、私という心のアルバムに大切な人とのアルバムを、作ってみたいの」


千佐登のこの言葉は、どっか自己中な女子が言っているようなバカらしさもなければ
失恋したアトの悲しい子が言っているような寂しさもない。

"私という心のアルバム"・・・・かぁ。

・・・私にはまだ、早いかな・・・。



「あ、そだ!沙弥。いい話があるよ!!」
「??いい話って?」

ふふん、と自慢げに微笑む千佐登。

「2年生になるとさ、K高から2年生が来て『2年同士ヨロシク』って交友関係をーとかで来る男子を捕まえちゃえばいいんだよー!!」

なんだ、そんな話かぁ・・・

いや、別に交友関係結びに来ているんだし・・・
それにどんな人が来るかもわからないのに期待して待つのもなぁ・・・。


それに、2年同士って事は、3つ上でしょ?
私なんか・・・一言も喋れなくなるよ・・・。
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