鳥の唄
１・快晴の青
照りつける太陽が空気を揺らし、出逢いを求める蝉が高らかに鳴いている。


高校に入学して早くも３ヶ月。


毎日が毎日、同じことを繰り返す日々の流れに逆らうコト無く、僕は生きている。


僕が通っている学校は地元でもかなり有名な進学校。


入っただけで一流企業に就職できるだの東大に行けるだの、色んな噂が飛び交っている。


噂と言ってもそこまで嘘ではない。


卒業生のほとんどが国立大に進学、または海外にまで手を伸ばす企業に就職するなんてコトが当たり前だった。


だけど僕はもともとこの学校には入学する気なんてなかった。


もっと平凡な、もっと自由な学校に行くつもりで、中学の懇談会でも先生にそう告げた。


だけど先生は人の意見も聞かず、自分の意見を並びあげた。


「なあ、秋。お前なら清台高校じゃなくて春丘高校狙えるんだが、そっちにする気はないのか？」


清台高校は決して悪い高校じゃない。


ただ進学校である春丘高校に比べたら見劣りもした。


「いや、僕は春高じゃなくて清高に行きたいんですけど。」


思った通りのありのままの気持ちを言葉に出して伝えた。
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