人工的な空の下で
「仕事お疲れー。」

「ハルコもお疲れ様。」
千夏の笑顔を見ると何だか緊張がほぐれていく。
「早く乗りや。メチャお腹すいたー。」

「何食べるー?」

「今日会社の人に聞いてんけど茨木の方にメチャメチャ美味しいオムライスがあるらしいからソコいこや。」
千夏はいつも美味しいレストラン情報を収集してくれる。
車で流れている音楽が好きな歌で2人で歌を歌いながらレストランを探す道のりが楽しかったり、クリームソースのオムライスがスゴく美味しかったり悲しい時にも、必ず良い事はある。


千夏の愚痴はいつも冗談混じりでユウの事なんて忘れちゃうぐらい爆笑する。
愚痴も落ち着いた時に千夏が何気なく切り出した。
「最近ユウ君とどうなん?」
「決めてん!もう別れるわ!」
「えぇっ!?何でなん?」
「ウチに興味が無い淡白な行動については前から話してたやろ?んで前会った時会話が無さ過ぎて一言しか会話しーひんかった事も言ったやろ?」
「そんな事あったなー。」
以前に笑い話として話していた内容に千夏も笑顔になる。
「んで聞いて!今日まだウチの事好きなんでしょうか?ってメールしてんやんかー。何て返ってきたと思う?」
「えー!わからん。」

「会った時に話そやってー。遂に決断を突きつけられたわ。」

「あー…それは無いな。」
「最近ずっーとウチの一方通行やったしこれでスッキリするわ。」
頑張って気丈に振る舞っているのがバレてたのか千夏が泣きそうな顔で私を見つめる。
「ハルコー…好きやったら無理して別れる事無いねんで。」
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