人工的な空の下で
入って奥の席に2人は座っていた。
「亜由美!美幸も久しぶりー!」

「久しぶりー。ハルコ今日何か可愛いやん。」

「今日は勝負の日やしな!」

「あー。ユウ君と今日会うんや。」
亜由美にはユウとの状況を話していたので、意味が伝わったらしい。
「なに!?逆プロポーズ?」
状況を全く理解していない美幸が興奮気味に聞いてくる。

「今日ユウと別れるから今日からは毎日が勝負の日よ。モテファッション研究するわ。」

「えー!マジで!?」

「美幸と会ってないうちにいろいろあってん。頑張ってんけどなーアカンかったわ。」

笑いながら話すから深刻には伝わらなかったんだろう。
美幸が笑いながら「アッサリしてるなー。」と言うのを聞いて安心する。

それから3人近況報告や今度温泉に行こうなどたくさん話をした。
美幸が友達と予定があるからと先に帰り、私と亜由美は買い物をする。
「あ!ハルコ今日でどうせ別れんねんし手帳新しくしよや!」
「えー。今のままで良いー!」
「ウチも欲しいし見にいこっ!」
さほど欲しいと思ってる物でなくても見出せば欲しくなるものだ。
亜由美以上に真剣に手帳選びをしだす。

「ハルコ!あんたにぴったりのシールある!恋活シールやって。合コンいっぱい組んだるから買っとき!」
「いや。けど今日もし俺別れたくない!って言われたらウチ別れへんからムダなっちゃうしな。」
ケラケラ笑いながら「無い無い」と言う亜由美につられて笑顔になる。


しょうもない話に爆笑しながら過ごすうちに時間は七時になってた。
「ヤバい!ウチ行くわ!」
「さっぱりしてき!」
その言葉に後押しされて電車に乗り込んだ。
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