人工的な空の下で
朝ユウの歯磨きするのを眺める。
この光景も今日で最後。

朝も全くいつも通りに玄関まで見送りに行く。
ユウは私を抱きしめないし私もユウを抱きしめない。
行ってらっしゃいのキスも無いが、２人とも笑顔だった。
「仕事頑張ってな。」
「ハルコも頑張って。」
「行ってきます。」

笑顔で手を振って見送り玄関のドアが閉まった瞬間に喪失感に崩れて泣いた。

部屋に戻り化粧をするが涙が化粧の邪魔をする。

落ち着いてから化粧をしようとソファに倒れ込むとユウからメールがきていた。
【ハルコと付き合えて楽しかった。ありがとう】
【ウチもたくさん楽しかった。ありがとう。お互い幸せになろうな。】

返しながらたくさん泣いた。

この日私は人生最大の大失恋をした。

きっとこれだけ悲しいのは悲しみ以上の幸せをたくさんくれたからだ。

ありがとう。
ありがとう。
ありがとう。
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