人工的な空の下で
人工的な空の下で
光の無い世界で生きてきた。
自殺願望があるわけでは無い。
やばい仕事についてるわけでも無い。

建設会社の営業で、朝早く起きて仕事に行き夜遅くに帰ってきて風呂に入って寝る。
普通のサラリーマンだ。

休日は家を片付けて家事をする。

そんな毎日が満足か?
大人になって、こんな世界で生きていく事を望んでいたのだろうか?
そもそも二十代後半の自分は大人にはなれているのだろうか?

1人暮らしをしていて、それなりの給料をもらっていて車もあるしカードもある。
煙草も吸うし酒も強いほうだ。

昔の俺が隣にいるとすれば今の俺を大人と認めてくれるのだろうか?


プラネタリウムへ行けば真っ暗な世界から無数の星が輝く瞬間、自分の心にも光が差し込む気がして救われる。

プラネタリウム館と同じぐらい人の可能性や人の心の大きさにだって限界がある物だから自然の星を見るよりプラネタリウムで小さなドームで数え切れない星を見る方が自分の無限大を感じて心が落ち着く。
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