人工的な空の下で
「何泣いてんの?」
相変わらず目を細めて落ち着いて笑うユウがいた。

「だって…。」
明るくなったドームで係員さんが私達が出るのをドアを開けて待つ。
「行こ。」
私の隣に立ち手を差し出す彼の手をつかみ久しぶりの暖かさを感じる。
「幸せには過ごせてる?」
「ウチはいつも幸せやからな。」
「変わらんな。」
楽しそうに笑いながら歩くユウと一緒に歩く。
「ウチ…ユウの秘密知ってんねん。」
「何なん?」
「ユウって…ときいさむやろ?」
ユウは驚きもせず笑いながら話す。
「小説読んで気付いた?」
ノートパソコンの事は黙っておこう。
「うん。」
「俺からのラブレター。未練たらしく大好きやで。」
驚いた顔の私を見つめながら続ける。
「俺に合わせるわけじゃなく今のままのハルコらしいハルコが好き。きっと何回ふられても何回別れても俺はハルコを忘れられずに生きるんやと思う。」
「恋愛の好きじゃないって…」
「別れてから遅いけど俺の世界に色をつけてくれるのはハルコだけやねん。ずっと後悔してた。幸せを見落としてきた事を。」

「ユウ…」
「ん?」
「ユウにウチはもったいないけどウチにはユウしかおらん。」
嬉しそうに笑うユウを見てやっぱり私は彼が大好きだと思った。
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