人工的な空の下で
居酒屋へ行き男子と女子が向かい合って座る。
私の前にはユウが座っていた。

色白の細い体にゆっくりと落ち着いて喋る彼はとても繊細そうに見えた。
よそわれた鍋を黙々と食べる。
長い睫毛に猫ねようにフワッとした髪。

きっと私はこの時から彼の空気に引き込まれていたのだと思う。
見た目とは裏腹に意外とお酒の強い彼のペースに合わせて飲んでて、また酔いつぶれて気付いたらまた家で寝ていた。

朝に携帯をあけると二通メールが入っている。
【森野勇です。ちゃんと帰れた?】
【タケ君タイプやわ♪ハルはユウ君でしょ?】
ユウからメールが来ていて亜由美からのメールを読むあたり記憶は飛んでもしっかりアピールと番号交換は出来ていたようだ。
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