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「昨日ついた客がすごいワキガでさ、マジでやばかったー。窒息死しそうだった。」

待機室に戻るとレイカがモエと‘最悪な客話’で盛り上がっていた。

「あーそれはキツイですねー。私もこの前ついた客がかなりの巨漢でしかも体に似合わずアレがかなりちっちゃいから素股するのがかなり大変だったー。赤ちゃんかよ、ってサイズなの。」

服装もCanCam系でお嬢様風の容姿に似合わずモエが毒を吐く。

「前ついた客で異常な位顔を舐める人いたなー。ホント最悪だった。化粧取れるは顔臭くなるわ、で・・・」

私も思わず参戦してしまう。

「常連客で、すごいおじいちゃんがいるんだけど、履いてるパンツがおしっこ臭いの何のって!!
デリ嬢じゃなくて介護士になった気分。
でもそのおじいちゃん、素股なのに本番してると勘違いしてチップくれるからまぁラッキーなんだけど。
感覚がもうないならデリを呼ぶなよって!!」

2人が爆笑する。

「でもおじいちゃんでも勃つんだ?」

レイカが笑いながら涙目で聞く。

「医者にバイアグラを処方してもらってるらしい。」

煙草を吸っていたモエが思わずむせる。

「楽な客なんてあんまりいないですよね?」

「うん。変な性癖があったり自宅に呼ばれたらかなり部屋が汚かったりね。」

高額な給料と引き換えに心と体は羞恥と屈辱で打ちのめされる。

笑い飛ばさないとやってられない。
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