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登校するバスの中であの人を見つけられたらその日1日がハッピー。

そう本気で思った。

別に処女ってワケじゃない。

大学生の彼氏、エイタとの付き合いもいたって順調だ。

どうかなりたいんじゃなくて、ただ顔が見れたらテンションが上がる。

“胸が高鳴る、ってこうゆうことなんだ!”って気付かされる。

いわゆる、憧れ、だ。

当の本人は私の存在すら知らないと思う。

マツダ ヒロユキ

一個上の高3だ。

高1の時、初めて見掛けた時、一目惚れした。

端正な顔をして華奢な体付きで、友達とじゃれて笑ってるところなんてホントに爽やか。

ワイルドな人がタイプなはずなのに真逆のタイプに惹かれるなんて自分でもびっくりした。

先輩が気になって目で追うようになってから知ったこと。

目立つグループの中で丁度良いポジションにいるらしいこと。

帰宅部なのに地味な感じでもやんちゃすぎるワケでもないこと。

バスで気持ち良さそうに寝てる顔なんて天使みたいだってこと。

ちょっとは先輩のことが分かってきたけど、話したことはない。

話してみたいとは思うけどだいいち、接点が全くないんだ。
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