ivory
「元気にしていたの?連絡もせずに!心配してたのよ!!」

「ちゃんと生活出来てるの?」

「たまには顔を見せなさいよ。おばあちゃんもあなたのこと心配してるんだから。」

久しぶりに聞いた母の声。

こんなに訛っていたっけ?お母さん。

首を傾け携帯を耳に挟み、煙草に火をつける。

「うん。実は今、戻ってるんだ。」

トゥルルルルトゥルルルル・・・

画面にはヒロユキの文字。

「ごめん!!キャッチホンだ。後から掛け直すね。」


「はい。」

「今どこ?俺今空港着いたとこ。」

相変わらず甘ったれた話し方。

学ランが全く似合わなかった華奢なあの人はどんな男になってるんだろう?
< 28 / 30 >

この作品をシェア

pagetop