ivory
地元では大きい、でも福岡に比べたらあまりにも小さいファッションビルのトイレ。

クリーム色のタイルの壁に備え付けられた胸元まで写る鏡に自分を写す。

強すぎる柑橘系の消臭剤の匂いに気持ち悪くなりながらも、ビューラーで睫毛を持ち上げ、アイラインを綿棒でぼかす。

“今の私をキレイだって思ってくれるかな?”

お気に入りの甘すぎない香水を胸元に付けて、深呼吸をする。

“よし、大丈夫!!”


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