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ラストの客に精一杯の笑顔でおやすみを告げ、事務所に戻る。

時計を見るとAM6時を過ぎていた。

大体いつもこんな時間だ。

「お疲れでーす。
精算お願いね。」

フロントの山本はいつものわざとらしい笑顔で言った。

寝てたのだろう、頬にはくっきり跡がついてる。

煙草に火を付けると、山本は大きなガラスの灰皿を近くに置いた。

オールバックに髪をかっちり固め、スーツ姿の山本は24歳らしいがもっと落ち着いて見える。

風俗店スタッフ特有の黒い、闇の匂いがする男。

「いつも遅くまでありがとう、ユウちゃん。
ホントユウちゃんあっての『GLOW』だよ!」

煙草の煙を吐きながら、スタッフルームの壁に貼ってあるグラフを見た。
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