幕末〓冷血の鬼
「どうしたんですか?」


私がそう聞くと沖田さんは足を止めた。


「土方さん、この頃笑うようになりましたね。表情も柔らかくなりましたし。」


「そうですね。」


「恋花さんのおかげですよ。」

「えっ?」


「あの土方さんが恋花さんにだけ何時も優しげに見つめているんです。土方さんの落ち着きの場は貴女なのですね。」


沖田さんは、そう言ってニコッと笑った。
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