幕末〓冷血の鬼
「土方か。お前も気をつけるのだな。」


「何をだ?」


「強欲は身を滅ぼすと言うことだ。」


芹沢さんは、そう言ってフッと笑うと屯所を出て行った。


「恋花、芹沢に何もされていないか?」


芹沢さんが見えなくなると土方さんがそう聞いてきた。


「何もされてませんよ。」


「そうか。今日、晩に近藤さんの部屋で集会がある。恋花、お前は部屋にいろ。」


「…わかりました。」


大事な話がある時は私は部屋に入れさせられる。


私は新選組の隊士でないからだろう。


疎外感を感じながら私は部屋に戻った。
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